2重根号【数Ⅰ】
2重根号
のように、ルートの中にルートがあるときがあります。
(これは3重、4重.....と無限に増やせます)
このように根号が2重になっている場合、
根号が2重でない簡単な形にできるときがあります。
必ずできるわけではありません。
2重根号について、次のことが成り立ちます。
以下、証明です。
パソコンで作るのが面倒だったので申し訳ありませんが手書きです←オイ!
この公式も暗記しますか?
答えはNOです。
絶対忘れます。
しかもこんなの公式忘れたらおしまいです。(見た目がやばいから 笑)
だから、導出の仕方を理解しましょう!
忘れても公式を出せるようにしましょう!
(公式はすぐ忘れますが、不思議なことに導出の仕方はしっかり理解していれば忘れないものです)
簡単に大雑把に解説します。
[訂正]√の中が正になる→√〇が必ず正になる
(√a+√b)2を展開して両辺にさらにルートをつける。これだけです。
(左辺と右辺がイコールなんだから、両辺の正の平方根もイコールですよね♪)
見た目の複雑さほど導出は難しくありません。
せっかくなので問題をやってみましょう。
公式にただ突っ込むだけの問題はやりませんよ!
ちょっとひとひねり必要な問題です。
参考書にはたくさん類題があるのでやってみましょう。
今回はここまで。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
有理化【数Ⅰ】
有理化
有理化:分母に根号が含まれない形に変形することを、分母を有理化するといいます
有理化では、2次式の展開の公式(展開公式【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎)の②を使います。
これをうまく使うと(√〇+√△)(√〇ー√△)=〇ー△ となり、
きれいにルートが外れます!
では、具体的なやり方を例題とともに見ていきましょう。
赤文字は解答記述に普通現れない部分です。
ですが、赤文字の部分が最も重要です。
赤文字は考え方の部分(だから普通書かない)、
黒文字はその考え方にのっとった計算の部分です。
まず(1)です。
分母に√5 をかけてやれば分母のルートが外れます。
でもただ分母に √5 をかけるだけだとをかけることと同じなので
値が変わってしまいます。
ではどうしましょう?
1をかけても値は変わりません。
ならば、(これって1ですよね?)をかければ
値も変わらず分母からルートが外れませんか?
というわけで(1)の解答のようになります。
これ以外はただの平方根の計算なので練習して慣れましょう。
では(2)。
ここでは分母の 3-√7 が消えてほしいので、展開公式を利用して分母が消えるように、(1)と同じようにしてをかけます。
あとは計算していくと見事分母からルートがなくなります。
最後に(3)。
分母の項が3つ。
これがうまく消える展開公式は知らないですよね。
僕もぱっと思いつきません。
ではどうするか。
ここでも例の展開公式を使いましょう。
「でも項3つあるので使えません」ですって?
まあ、そう固いことを言わずに。
2+√3 と √5 に分けて例の公式を使います。
そうすれば、解答の2回目の赤文字達の直前の式になります。
でもまだ分母にルートがある。
だったら、もう一度有理化しましょう!!
そうして計算をしていくと見事最後は分母に根号がなくなります。
どうですか?
最後の問題なんか面倒ですが、
一気にやろうとすると分からなくなります。
一つ一つ、できる形に無理やりもっていって
何段階にも分けて有理化しましょう。
今回はここまで。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
平方根の定義・性質【数Ⅰ】
平方根の定義
平方根:2乗するとaになる数、すなわち x2=a となるxをaの平方根といいます。
√a :aの正の平方根(ルートaと読みます)
-√a :aの負の平方根
ここで注意してほしいのは「平方根≠ルート」ということです。
平方根のうち正のものを「ルート〇」と呼ぶんです。
これが間違えやすく重要なので気を付けましょう。
また、√0=0と定めます。
厳密には0は正でも負でもありませんが、この√0=0という性質から、以下では便宜上あたかも0が正であるかのように書きますがご了承ください。
ちなみに.....
「負の平方根」ってわかりますか?
例えば、
「2乗して4になる数」は何でしょう?
22=4 だから4の平方根は2
これは間違いです。
どうしてでしょう?
では試しに -2 を2乗してみましょう。
(-2)2=(-2)×(-2)=4
4になりましたね。
てなわけで4の平方根は ±2(+2と₋2をまとめてこう書きます)です。
この例に限らず、
(正の数)×(正の数)も(負の数)×(負の数)も正の数になります。
ですので、一般的にどんな正の実数も正の平方根と絶対値が同じ負の平方根をもちます。
平方根の性質
平方根は次の性質が成り立ちます。
なにやら面倒くさそうですね。
これを全部覚えますか?
無駄です。
全然覚えなくてOKです。
というのは、考えれば当たり前のことだからです。
定義さえ知っていればいいんです。
「そんなこと言われてもわからないよ」なんて言わずにひとつずつ見ていきましょう。
まず➀。
これって冒頭で説明した「平方根の定義」を数式にしただけです。
➀の一番右は「ルートがついてるやつは正ですよ」ってことです。言い方を変えると「正の平方根はルートをつけて表しますよ」ってこと。
左と真ん中は「正の平方根も負の平方根も2乗すればルートの中の数になりますよ」って意味です。2乗すればある数になるものを平方根っていうんだから当たり前ですよね。
次に②。これは少しわかりづらそうですね。
ではまず、2乗してa2になる数って何でしょう?
答えは±aです。
ところで、+aと-a、どっちが正の数でどっちが負の数だと思います?
「馬鹿にすんなよ。+ってついてる方が正で-がついてる方が負だよ。」
本当にそうでしょうか?
aが正の数って一言も言われてないし負の数ともいわれてない。aが正であれば合ってるけど、aが負だったら答えは逆になりませんか?
よってこのままでは判別不能なんですねえ。
でも「わかりません」って答えは嫌ですよね。
だから数学では「場合分け」ということをします。
場合分けって何でしょう?
この例では「aが正のとき」と「aが負のとき」で答えが変わります。
だから答えが出せない。
だったらaが正のときと負のときとで別々に答えを出せばいいんじゃね?
こういう考え方が場合分けです。
そこで、場合分けして答えると
a≧0のとき +a≧0、-a≦0
a<0のとき +a<0、-a>0
(※正負を不等号で表しました。この表し方も慣れましょう!)
ここまで来たらもう終了も同然。
では、a2の正の平方根は何でしょう?
そうです。
a≧0のとき a
a<0のとき -a
です。
➁の1行目はこのことを書いてます。ルートは正の平方根のことでしたよね?
そして最後の行について。
a2の正の平方根は?という問の解答
a≧0のとき a
a<0のとき -a
これ、どこかで見たことありませんか?
前回(絶対値【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎)の絶対値の外し方と全く同じです。
だから➁の最後の行になるんですなあ。
かみ砕いて説明した(つもり)のでだいぶ長くなりました。
ですが、この説明をくまなく理解してください。
丸暗記よりよっぽど価値があります。
「覚えた方がはやい」って人もいるかもしれません。
でも数学は暗記じゃない、とたびたび言いましたが
こんなの覚えるものでもないです。
覚えるだけ無駄です。
だって定義を数式にしてるだけなんですから、
これを覚えるってことは最初に覚えた平方根の定義と同じことをもう一度(別な形に変身したものを新たに)覚えるということです。
そういわれると時間の無駄な気がしませんか?
数学では暗記より理解を大事にしてください。
そうすれば公式なんて忘れても瞬時に導けます。
そして何より暗記型よりよっぽど効率がいいので時間も浮きます。
その無駄な暗記に費やしている暇があったら英単語でも覚えてください。
大変長くなりました。お疲れ様です。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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数学に関する質問をお待ちしております。
僕が解ける問題であれば真摯に対応いたします(苦笑)。
mail→mathematics.for.universe@gmail.com
絶対値【数Ⅰ】
絶対値
数直線上で原点Oと点P(a)(←数直線上の点を座標のようにこう表します)の距離を実数aの絶対値といい、記号 |a| で表します。
➀ |a| ≧0
② a≧0のとき |a| = a
a<0のとき |a| = -a
ざっくり説明すると
①は絶対値は必ず正(または0)という性質
②は絶対値記号の外し方
です。
中学校でも絶対値はやります。
そこで「絶対値は符号を外すのではなく原点との距離を表すんだよ」
と強調された記憶はありませんか?
それはこのように文字の絶対値の記号を外すとマイナスがつくときがあるからです。
でも、
実際「原点との距離」として絶対値を使うことはあまりありません。
「原点との距離」である、という意味は必ず覚えてほしいのですが、
絶対値は符号をプラスにすると考えてください。
(※「マイナスをとる」と考えてはだめですよ)
ですから、a<0のとき、|a| は記号を外した時にプラスにならなきゃいけない。
そのため |a| = -a (負の数に-1をかける、簡単に言うとマイナスをつければ正の数になりますよね♪)となるんです。
この先「符号をプラスにする」目的で絶対値記号を使うことが多くなります。
本来の「原点との距離」
そして用途として多い「符号をプラスにする」
という2つの絶対値の側面を把握してください。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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因数分解(実践編~名城大~)【数Ⅰ】
(x+y)(y+z)(z+x)+xyzを因数分解
名城大の過去問です。
基礎を中心と言いましたがいきなり入試問題です。
なぜって大学入試の問題はいい問題が多いんですよ。
では解答です。
何が起こったか分かりますか?
これを見て一発で理解できたら
このブログははっきり言って不要、
自分ひとりの力で数Ⅲまでいけます。
でもこのブログを見てる方には最終的には
「解答を読んでひとりで理解する」
というのを目標にしてもらいたいな、と思います。
話は戻りまして、
これ見ただけだとすぐには分かりませんよね?
でも安心してください。
入試問題とはいえ、全然怖くないです。
ではコメント付きで実況中継していきましょう。
まずレシピ(因数分解(3)〜因数分解のレシピ〜【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎)のステップ1、共通因数は無さそうです。
ステップ2、この状態で使えそうな公式は…なさそうですね。
ステップ3、置き換え。うーん…これも厳しそう。
ステップ4、1つの文字に着目して降べきの順に整理。これは出来そうですね。というか文字が3種類もあるのでした方が良さそう。
今回はxに着目しますね。
xに着目するということは
x²やxなどがすべて出てきてからじゃないと
降べきの順に整理も何もあったもんじゃないです。
そこでまずx²やxが出てきそうな項をすべて展開します。
1行目はその準備です。
(※(y+z)はxを持ってないんだから逆立ちしたってxやx²は出てきません。なので後から展開するんです。そのため1行目は仲間はずれにしてます。)
2行目、{}を展開してxに着目する準備は完了です。
3行目、残りを展開・降べきの順に整理します。これでパッと見もxに着目してる感がハンパないですね。
4行目、たすき掛けで因数分解します。
画像下部の※参照。因数分解(2)~たすき掛け~【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎 で紹介したやり方です。
そして{}内を整理して完成です。
どうですか?
xに着目する、と決めて
1・2行目の発想が出てくるかが勝負ではないでしょうか。
これから先様々な場面で共通するのですが、数学では
xに着目すると決めたら無理矢理でもxを作り出すんです。
そして整理していけば、必ず解きやすい形になります。
その多少強引な発想を是非大事にして欲しいと思います。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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数学に関するどんな質問でもお待ちしております。
僕が解ける問題であれば真摯に対応いたします(苦笑)。
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実数【数Ⅰ】
実数の分類
僕らが知っている数は下の図のように分類されます。
用語をひとつひとつ見ていきましょう。
自然数:物の数を数えるときに使う数です。
整数:自然数に0と-1, -2, -3,-4,.....を合わせたもの。
有限小数:小数で表すと有限(桁がどこかで止まる)な数。
循環小数:1.23123123123123....のように同じ並びの繰り返しになる小数。
有理数:上の4つをまとめて有理数といいます。有理数はで表される数です。
無理数:簡単に言うと有理数以外です。つまりで表せない数です。図には「循環しない無限小数」と書きました。(→★additional)
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
★additional