宇宙を歩く高校数学 基礎

中身は高校数学(ⅠA・ⅡB・Ⅲ)の教科書レベルでの解説をしていきます。

因数分解(3)〜因数分解のレシピ〜【数Ⅰ】

因数分解の道具はすべて紹介しました。

 

ですが、これをどこでどう使えばいいかわからないから解けないんですよね。

 

なので絶対的な指標ではありせんが、

いうならば「因数分解のレシピ」のようなものをご紹介します。

 因数分解のレシピ

1.共通因数でくくる。

 全ての項に共通する因数をくくり出します。何より先にこれをやります。

2.公式の適用

 この状態で公式が適用できないかを探ります。

3.置き換えで見やすく

  複2次式 ax⁴+bx²+c では x²=A 、3(x-5)²+6(x-5)+9のように式の中に同じ形が現れた場合は x-5=A という具合で置き換えて見やすくすると因数分解しやすいです。

4. 1つの文字に着目して降べきの順に整理

  2つ以上の文字がある時、最高次数の低い文字に着目して降べきの順に整理します。

5.定数項因数分解

  定数項が因数分解できる時があるのでその時は定数項を因数分解します。

 

これで完成しない場合はまた1に戻ります。

 

最後に因数分解し忘れがないか確認します。

 

 

 

僕は元々数学は大の苦手で、

高校入りたての時にまずここの因数分解で躓きました。

その時の数学の先生は僕の人生を大きく変えてくれたと言っても過言ではない先生だったのですが、昼休みにここの単元の質問に行ったらこの「レシピ」を丁寧に解説してくれました。

 

はい。つまりこれは受け売りですね。

ですが、これでまず間違いなく因数分解できるので是非ご活用を。

 

それではまた次回お会いしましょう。さようなら。

 

 

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数学に関するどんな質問でもお待ちしております。

僕が解ける問題であれば真摯に対応いたします(苦笑)。

mail→mathematics.for.universe@gmail.com

twitter→@universe_math

 

 

  

因数分解(2)~たすき掛け~【数Ⅰ】

たすき掛け

acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)

と言われたって数字が大きくなったら困りません?

12x2-16x-3とか。ぱっと思いつきませんよね?

 

そんな時に「たすき掛け」という方法があります。

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手順

①x²の係数を〇×△という積の形にして図のように縦に書きます。(とりあえずこの時点で〇と△の組合せはどんな組合せでもOKです)

②定数項を同じように□×☆のような積の形にして縦に書きます。

③図のようにななめに掛けたものを足した結果がxの係数になるよう〇△□☆の数字を変えてみます。

④ななめに掛けたものがxの係数になったら完成です。あとはたすき掛けの図の左上のブロックを横に見ていきます。

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これ、文字が絡んでくるとものすごい強さを発揮します。

 

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ここまでが一般的な参考書などに載っているやり方です。

 

でも文字がたくさん入ってくると

たすき掛けが混乱する方いませんか?

 

よくある誤答として

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こんなのがあります。

「係数を取り出してたすき掛け」

というあまり良くない考え方が出来上がっちゃっているのでこういうミスが生まれます。

 

ここで「係数を取り出す」

と言った時の「係数」はxおよびその累乗の係数なんだから、

当然yも「係数」として取り出さなきゃダメなんですよ。

 

でね、

別に係数だけ取り出してたすき掛けする必要なんてないんです。

たしかに係数だけ取り出した方が見やすくはなりますよ。

でもしょうもないミスをするくらいだったら

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こうやったって良くないですか?

 

何が言いたいかというと、

たすき掛けする時は、数字だろうと文字だろうと、それが着目した文字であっても全部書き出してたすき掛けするんです。

 

一般化してみると

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こういうことです。

 

これだって答えはちゃんと導けるので、

このブログを見てくれた方は

是非こっちでたすき掛けして

ミスを減らしましょう!

 

いいですか。

「文字も全部書き出してたすき掛け」ですよ。

 

たすき掛けは問題をこなすことでできるようになります。

ぜひたくさん問題を解いてください。

 

それではまた次回お会いしましょう。さようなら。

 

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因数分解(1)〜公式〜【数Ⅰ】

因数分解は簡単に言うと展開の逆です。

基本は「共通の因数でくくりだす」という作業を行います。

 ex)  mx+my=m(x+y)    ←mが共通因数

ただし、断りがない限り因数分解では因数の係数は有理数の範囲とします。

有理数は後で詳しくやります)

 

2次式の因数分解

➀ a2+2ab+b2=(a+b)2

       a2-2ab+b2=(a-b)2

② a2-b2=(a+b)(a-b)

➂ x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

➃ acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)

 

3次式の因数分解

➀ a3+b3=(a+b)(a2-ab+b2)

       a3-b3=(a-b)(a2+ab+b2)

② a3+3a2b+3ab2+b3=(a+b)3

       a3-3a2b+3ab2-b3=(a-b)3

 

➃とかこんなの数が大きくなったら面倒くささの極みですよね。

その時の因数分解のやり方は次回お話しすることにします。

それではまた次回。さようなら。

展開公式【数Ⅰ】

2次式の展開公式

2次式では次の公式が成り立ちます。

これは左辺を分配法則で地道に展開していくと導けます。

数学は暗記教科ではありませんが、

これも必ず覚えておきましょう。

 

➀ (a+b)2=a2+2ab+b2

       (a-b)2=a2-2ab+b2

➁ (a+b)(a-b)=a2-b2

➂ (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab

➃ (ax+b)(cx+d)=acx2+(ad+bc)x+bd

 

➁なんかキレイなのでよく使います(なんならこの形を目指したりもします)。

 

3次式の展開公式

厳密には数Ⅱの範囲ですが一緒に覚えちゃいましょう。

 

➀ (a+b)(a2-ab+b2)=a3+b3

       (a-b)(a2+ab+b2)=a3-b3

② (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3

       (a-b)3=a3-3a2b+3ab2-b3

 

3乗の展開公式はプラスマイナスの符号に注意しましょう。

 

展開公式はそのままの形で使うだけじゃもったいない。

こんな使い方もあるんです。

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α:アルファ、β:ベータ。ギリシャ文字です。

 

こういう使い方が後々重要になってきます。

ちなみにこの問題の「α+β」「αβ」のように

文字の順序を入れ替えても値が変わらない式のことを対照式といい、特にこの二つを基本対照式といいます。

 

それでは今回はこの辺で。

ではまた次回お会いしましょう。さようなら。

整式の加減乗除(2)【数Ⅰ】

整式の計算の基本法

加法と乗法について、以下の法則が成り立ちます。

 

〈加法〉

交換法則  A+B=B+A

結合法則  (A+B)+C=A+(B+C)

〈乗法〉

交換法則  AB=BA

結合法則  (AB)C=A(BC)

分配法則  A(B+C)=AB+AC,

                     (A+B)C=AC+BC

 

そしてこれらは、A,B,Cのいずれか、またはすべてが整式のときにも成り立ちます。

 

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ちなみに x-y=x+(-y)と考えられるので減法も加法に帰着できます。

指数法則

指数に関して以下が成り立ちます。

 

m, nを正の整数とする。

➀ aman=am+n

➁ (am)n=amn

➂ (ab)n=anbn

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※「・」は積を表す記号です。

 

これらは単項式だけでなく多項式も、

つまり整式で成り立つということが重要です。

ではまた次回。さようなら。

整式の加減乗除(1)【数Ⅰ】

用語

ひとまず用語編です。

中学校の範囲とかぶっていますが

おさらいも兼ねて具体例とともに。

 

単項式:数・文字とそれらを掛け合わせてできる式

 ex) x, 5a, ax, xyz

係数:単項式の数の部分

    ex) 3x→係数3

次数:単項式で掛け合わせた文字の個数

 ex) 3x→次数1

ただし

  • 1, -5などの数(=定数)は1つの単項式で次数は0(→★additional)。ただし0の次数は定めません。
  •  3ax2 は係数3次数3の単項式ですが、xに着目すると係数は3a、次数は2になります。つまり着目する文字(1種類とは限らない)によって文字が係数扱いになったりするってことです。

多項式単項式の和で表される式

  ex) 3ax+2y-11

整式:単項式と多項式を合わせて整式といいます

  • f:id:mathematics-for-universe:20170323181357j:plainのように係数が整数でなくても整式といいます

  • 項の次数が高い方から順に並べることを降べきの順に整理するといいます 

   ex) 6x2+2x+9

  • 項の次数が低い方から順に並べることを昇べきの順に整理するといいます

   ex) 9+2x+6x2

同類項:整式の項の中で文字の部分が同じ項のこと

 ex) 3x2+6x2+7x-1→3x2と6x2が同類項

整式

同類項をまとめた整式で最も次数の高い項の次数を、その整式の次数といいます。

n次式:次数がnの整式

 ex) xについての整式 4ax3+x+9 →3次式

※整式でも単項式と同じように、ある文字について着目してそれらの文字の整式と見ることができます。

 定数項:着目した文字を含まない項

 ex) 4ax3+x+9 →定数項 9

 

ひとまず用語編はこんなところです。

数学は暗記教科ではないと思ってますが、

言葉は暗記せざるを得ないので頑張って覚えてください。

問題を解いていれば覚えてきます。

 

次回からは本格的に数学っぽいことをしていきます。

ではまた次回お会いしましょう。さようなら。

 

★additional

やや発展ですが数学が得意な方・好きな方はぜひ一緒に考えましょう。

本編よりもこういうことの方が面白かったりします。

 

整式 y2+2y-10 において-10の項の次数は0です。

ここで疑問がきっと生まれます。

定数の次数はなんで0なの?

手っ取り早い話、1つもyを掛けていない(0回掛けている)からなのですが、少しばかり回り道をしてみましょう。

 

1文字に着目した場合、基本はその文字の指数が次数です。

 

ではなぜ定数項の次数は0なのでしょう?

 

 それは「定数=定数×1(∵1をかけても値は変わらない)」だからです。

※「∵」は「なぜなら」という意味を表す記号です。

 

は?って感じですよね。

言い換えましょう。

 

「定数=定数× y0」だからです。

 

は?ですよね。

でもこれが成り立つのであれば、

確かに次数は0になりそうじゃないですか?

 

つまり、y0=1 であればいいんです。

というか実際そうなんです。

字が汚くて申し訳ありませんが下をご覧ください。

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「定数項=文字の0乗の項」だから次数は0なんですねえ。

 

 

ブログ開設にあたって

「宇宙を歩く高校数学 基礎」と銘打ち、

ブログを開設しました。

「宇宙を歩く」というタイトルですが、

内容は普通の教科書レベルの公式導出や

基本問題解説です。

 

ではなぜこのタイトルなのか、という話を

少しばかりしたいと思います。

 

 

 

僕は好きな子がいました。

その子は宇宙が好きな子でした。

まあそれは、その子が明るい面白い子だったので周りの子が

「(奇想天外な発想がまるで)宇宙人」

というように言ってたからもあるのですが。

 

今はもうその子とは会えないのですが、

時々夜空を見るとその子を思い出すんですね。

「宇宙に行ける未来が来たら

きっと彼女喜ぶんだろうな」

ふとそう思ったりします。

淡い恋の思い出ってやつですね。

 

まあこんな思い出話はどうでもいいのですが、

やっぱり「宇宙を歩く」ってのは

人類の夢ですよね。

人々が自由に宇宙に旅できたら、

夢のような話ですが

徐々に現実味を帯びてきています。

 

この夢を追いかけたら

きっと楽しいでしょうね。

 

本当は僕が宇宙工学的な開発研究に

携われば良いのでしょうが、

自分が選んだ進路の都合上

そうもいかないのが人生です。

 

ですが僕自身宇宙が好きですし

やはりその「人類の夢」を追いかけたい気持ちもあります。

そこで今この状況でも何か携われないか、と考えた時に

「宇宙工学系の基礎となり、

僕の好きな教科でもある高校数学を

より多くの人に徹底理解してもらい、

数学、そしてその延長線として

宇宙に興味を持つ人が1人でも増え、

『人類の夢』を担う人が多くなるように貢献する。

これなら頑張れば可能ではないか?」

と思い、この記事を書くに至っています。

 

数学を教える経験は皆無なので不安要素もありますが、

このブログがあなたの「宇宙を歩く第1歩目」を手伝わんことを心から願います。