因数分解(実践編~名城大~)【数Ⅰ】
(x+y)(y+z)(z+x)+xyzを因数分解
名城大の過去問です。
基礎を中心と言いましたがいきなり入試問題です。
なぜって大学入試の問題はいい問題が多いんですよ。
では解答です。
何が起こったか分かりますか?
これを見て一発で理解できたら
このブログははっきり言って不要、
自分ひとりの力で数Ⅲまでいけます。
でもこのブログを見てる方には最終的には
「解答を読んでひとりで理解する」
というのを目標にしてもらいたいな、と思います。
話は戻りまして、
これ見ただけだとすぐには分かりませんよね?
でも安心してください。
入試問題とはいえ、全然怖くないです。
ではコメント付きで実況中継していきましょう。
まずレシピ(因数分解(3)〜因数分解のレシピ〜【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎)のステップ1、共通因数は無さそうです。
ステップ2、この状態で使えそうな公式は…なさそうですね。
ステップ3、置き換え。うーん…これも厳しそう。
ステップ4、1つの文字に着目して降べきの順に整理。これは出来そうですね。というか文字が3種類もあるのでした方が良さそう。
今回はxに着目しますね。
xに着目するということは
x²やxなどがすべて出てきてからじゃないと
降べきの順に整理も何もあったもんじゃないです。
そこでまずx²やxが出てきそうな項をすべて展開します。
1行目はその準備です。
(※(y+z)はxを持ってないんだから逆立ちしたってxやx²は出てきません。なので後から展開するんです。そのため1行目は仲間はずれにしてます。)
2行目、{}を展開してxに着目する準備は完了です。
3行目、残りを展開・降べきの順に整理します。これでパッと見もxに着目してる感がハンパないですね。
4行目、たすき掛けで因数分解します。
画像下部の※参照。因数分解(2)~たすき掛け~【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎 で紹介したやり方です。
そして{}内を整理して完成です。
どうですか?
xに着目する、と決めて
1・2行目の発想が出てくるかが勝負ではないでしょうか。
これから先様々な場面で共通するのですが、数学では
xに着目すると決めたら無理矢理でもxを作り出すんです。
そして整理していけば、必ず解きやすい形になります。
その多少強引な発想を是非大事にして欲しいと思います。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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数学に関するどんな質問でもお待ちしております。
僕が解ける問題であれば真摯に対応いたします(苦笑)。
mail→mathematics.for.universe@gmail.com
実数【数Ⅰ】
実数の分類
僕らが知っている数は下の図のように分類されます。
用語をひとつひとつ見ていきましょう。
自然数:物の数を数えるときに使う数です。
整数:自然数に0と-1, -2, -3,-4,.....を合わせたもの。
有限小数:小数で表すと有限(桁がどこかで止まる)な数。
循環小数:1.23123123123123....のように同じ並びの繰り返しになる小数。
有理数:上の4つをまとめて有理数といいます。有理数はで表される数です。
無理数:簡単に言うと有理数以外です。つまりで表せない数です。図には「循環しない無限小数」と書きました。(→★additional)
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
★additional
因数分解(3)〜因数分解のレシピ〜【数Ⅰ】
因数分解の道具はすべて紹介しました。
ですが、これをどこでどう使えばいいかわからないから解けないんですよね。
なので絶対的な指標ではありせんが、
いうならば「因数分解のレシピ」のようなものをご紹介します。
因数分解のレシピ
1.共通因数でくくる。
全ての項に共通する因数をくくり出します。何より先にこれをやります。
2.公式の適用
この状態で公式が適用できないかを探ります。
3.置き換えで見やすく
複2次式 ax⁴+bx²+c では x²=A 、3(x-5)²+6(x-5)+9のように式の中に同じ形が現れた場合は x-5=A という具合で置き換えて見やすくすると因数分解しやすいです。
4. 1つの文字に着目して降べきの順に整理
2つ以上の文字がある時、最高次数の低い文字に着目して降べきの順に整理します。
5.定数項因数分解
定数項が因数分解できる時があるのでその時は定数項を因数分解します。
これで完成しない場合はまた1に戻ります。
最後に因数分解し忘れがないか確認します。
僕は元々数学は大の苦手で、
高校入りたての時にまずここの因数分解で躓きました。
その時の数学の先生は僕の人生を大きく変えてくれたと言っても過言ではない先生だったのですが、昼休みにここの単元の質問に行ったらこの「レシピ」を丁寧に解説してくれました。
はい。つまりこれは受け売りですね。
ですが、これでまず間違いなく因数分解できるので是非ご活用を。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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因数分解(2)~たすき掛け~【数Ⅰ】
たすき掛け
acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)
と言われたって数字が大きくなったら困りません?
12x2-16x-3とか。ぱっと思いつきませんよね?
そんな時に「たすき掛け」という方法があります。
手順
①x²の係数を〇×△という積の形にして図のように縦に書きます。(とりあえずこの時点で〇と△の組合せはどんな組合せでもOKです)
②定数項を同じように□×☆のような積の形にして縦に書きます。
③図のようにななめに掛けたものを足した結果がxの係数になるよう〇△□☆の数字を変えてみます。
④ななめに掛けたものがxの係数になったら完成です。あとはたすき掛けの図の左上のブロックを横に見ていきます。
これ、文字が絡んでくるとものすごい強さを発揮します。
ここまでが一般的な参考書などに載っているやり方です。
でも文字がたくさん入ってくると
たすき掛けが混乱する方いませんか?
よくある誤答として
こんなのがあります。
「係数を取り出してたすき掛け」
というあまり良くない考え方が出来上がっちゃっているのでこういうミスが生まれます。
ここで「係数を取り出す」
と言った時の「係数」はxおよびその累乗の係数なんだから、
当然yも「係数」として取り出さなきゃダメなんですよ。
でね、
別に係数だけ取り出してたすき掛けする必要なんてないんです。
たしかに係数だけ取り出した方が見やすくはなりますよ。
でもしょうもないミスをするくらいだったら
こうやったって良くないですか?
何が言いたいかというと、
たすき掛けする時は、数字だろうと文字だろうと、それが着目した文字であっても全部書き出してたすき掛けするんです。
一般化してみると
こういうことです。
これだって答えはちゃんと導けるので、
このブログを見てくれた方は
是非こっちでたすき掛けして
ミスを減らしましょう!
いいですか。
「文字も全部書き出してたすき掛け」ですよ。
たすき掛けは問題をこなすことでできるようになります。
ぜひたくさん問題を解いてください。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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僕が解ける問題であれば真摯に対応いたします(苦笑)。
因数分解(1)〜公式〜【数Ⅰ】
因数分解は簡単に言うと展開の逆です。
基本は「共通の因数でくくりだす」という作業を行います。
ex) mx+my=m(x+y) ←mが共通因数
ただし、断りがない限り因数分解では因数の係数は有理数の範囲とします。
(有理数は後で詳しくやります)
2次式の因数分解
➀ a2+2ab+b2=(a+b)2
a2-2ab+b2=(a-b)2
② a2-b2=(a+b)(a-b)
➂ x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
➃ acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)
3次式の因数分解
➀ a3+b3=(a+b)(a2-ab+b2)
a3-b3=(a-b)(a2+ab+b2)
② a3+3a2b+3ab2+b3=(a+b)3
a3-3a2b+3ab2-b3=(a-b)3
➃とかこんなの数が大きくなったら面倒くささの極みですよね。
その時の因数分解のやり方は次回お話しすることにします。
それではまた次回。さようなら。
展開公式【数Ⅰ】
2次式の展開公式
2次式では次の公式が成り立ちます。
これは左辺を分配法則で地道に展開していくと導けます。
数学は暗記教科ではありませんが、
これも必ず覚えておきましょう。
➀ (a+b)2=a2+2ab+b2
(a-b)2=a2-2ab+b2
➁ (a+b)(a-b)=a2-b2
➂ (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
➃ (ax+b)(cx+d)=acx2+(ad+bc)x+bd
➁なんかキレイなのでよく使います(なんならこの形を目指したりもします)。
3次式の展開公式
厳密には数Ⅱの範囲ですが一緒に覚えちゃいましょう。
➀ (a+b)(a2-ab+b2)=a3+b3
(a-b)(a2+ab+b2)=a3-b3
② (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3
(a-b)3=a3-3a2b+3ab2-b3
3乗の展開公式はプラスマイナスの符号に注意しましょう。
展開公式はそのままの形で使うだけじゃもったいない。
こんな使い方もあるんです。
α:アルファ、β:ベータ。ギリシャ文字です。
こういう使い方が後々重要になってきます。
ちなみにこの問題の「α+β」「αβ」のように
文字の順序を入れ替えても値が変わらない式のことを対照式といい、特にこの二つを基本対照式といいます。
それでは今回はこの辺で。
ではまた次回お会いしましょう。さようなら。
整式の加減乗除(2)【数Ⅰ】
整式の計算の基本法則
加法と乗法について、以下の法則が成り立ちます。
〈加法〉
交換法則 A+B=B+A
結合法則 (A+B)+C=A+(B+C)
〈乗法〉
交換法則 AB=BA
結合法則 (AB)C=A(BC)
分配法則 A(B+C)=AB+AC,
(A+B)C=AC+BC
そしてこれらは、A,B,Cのいずれか、またはすべてが整式のときにも成り立ちます。
ちなみに x-y=x+(-y)と考えられるので減法も加法に帰着できます。
指数法則
指数に関して以下が成り立ちます。
m, nを正の整数とする。
➀ aman=am+n
➁ (am)n=amn
➂ (ab)n=anbn
※「・」は積を表す記号です。
これらは単項式だけでなく多項式も、
つまり整式で成り立つということが重要です。
ではまた次回。さようなら。