平方根の定義・性質【数Ⅰ】
平方根の定義
平方根:2乗するとaになる数、すなわち x2=a となるxをaの平方根といいます。
√a :aの正の平方根(ルートaと読みます)
-√a :aの負の平方根
ここで注意してほしいのは「平方根≠ルート」ということです。
平方根のうち正のものを「ルート〇」と呼ぶんです。
これが間違えやすく重要なので気を付けましょう。
また、√0=0と定めます。
厳密には0は正でも負でもありませんが、この√0=0という性質から、以下では便宜上あたかも0が正であるかのように書きますがご了承ください。
ちなみに.....
「負の平方根」ってわかりますか?
例えば、
「2乗して4になる数」は何でしょう?
22=4 だから4の平方根は2
これは間違いです。
どうしてでしょう?
では試しに -2 を2乗してみましょう。
(-2)2=(-2)×(-2)=4
4になりましたね。
てなわけで4の平方根は ±2(+2と₋2をまとめてこう書きます)です。
この例に限らず、
(正の数)×(正の数)も(負の数)×(負の数)も正の数になります。
ですので、一般的にどんな正の実数も正の平方根と絶対値が同じ負の平方根をもちます。
平方根の性質
平方根は次の性質が成り立ちます。
なにやら面倒くさそうですね。
これを全部覚えますか?
無駄です。
全然覚えなくてOKです。
というのは、考えれば当たり前のことだからです。
定義さえ知っていればいいんです。
「そんなこと言われてもわからないよ」なんて言わずにひとつずつ見ていきましょう。
まず➀。
これって冒頭で説明した「平方根の定義」を数式にしただけです。
➀の一番右は「ルートがついてるやつは正ですよ」ってことです。言い方を変えると「正の平方根はルートをつけて表しますよ」ってこと。
左と真ん中は「正の平方根も負の平方根も2乗すればルートの中の数になりますよ」って意味です。2乗すればある数になるものを平方根っていうんだから当たり前ですよね。
次に②。これは少しわかりづらそうですね。
ではまず、2乗してa2になる数って何でしょう?
答えは±aです。
ところで、+aと-a、どっちが正の数でどっちが負の数だと思います?
「馬鹿にすんなよ。+ってついてる方が正で-がついてる方が負だよ。」
本当にそうでしょうか?
aが正の数って一言も言われてないし負の数ともいわれてない。aが正であれば合ってるけど、aが負だったら答えは逆になりませんか?
よってこのままでは判別不能なんですねえ。
でも「わかりません」って答えは嫌ですよね。
だから数学では「場合分け」ということをします。
場合分けって何でしょう?
この例では「aが正のとき」と「aが負のとき」で答えが変わります。
だから答えが出せない。
だったらaが正のときと負のときとで別々に答えを出せばいいんじゃね?
こういう考え方が場合分けです。
そこで、場合分けして答えると
a≧0のとき +a≧0、-a≦0
a<0のとき +a<0、-a>0
(※正負を不等号で表しました。この表し方も慣れましょう!)
ここまで来たらもう終了も同然。
では、a2の正の平方根は何でしょう?
そうです。
a≧0のとき a
a<0のとき -a
です。
➁の1行目はこのことを書いてます。ルートは正の平方根のことでしたよね?
そして最後の行について。
a2の正の平方根は?という問の解答
a≧0のとき a
a<0のとき -a
これ、どこかで見たことありませんか?
前回(絶対値【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎)の絶対値の外し方と全く同じです。
だから➁の最後の行になるんですなあ。
かみ砕いて説明した(つもり)のでだいぶ長くなりました。
ですが、この説明をくまなく理解してください。
丸暗記よりよっぽど価値があります。
「覚えた方がはやい」って人もいるかもしれません。
でも数学は暗記じゃない、とたびたび言いましたが
こんなの覚えるものでもないです。
覚えるだけ無駄です。
だって定義を数式にしてるだけなんですから、
これを覚えるってことは最初に覚えた平方根の定義と同じことをもう一度(別な形に変身したものを新たに)覚えるということです。
そういわれると時間の無駄な気がしませんか?
数学では暗記より理解を大事にしてください。
そうすれば公式なんて忘れても瞬時に導けます。
そして何より暗記型よりよっぽど効率がいいので時間も浮きます。
その無駄な暗記に費やしている暇があったら英単語でも覚えてください。
大変長くなりました。お疲れ様です。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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数学に関する質問をお待ちしております。
僕が解ける問題であれば真摯に対応いたします(苦笑)。
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絶対値【数Ⅰ】
絶対値
数直線上で原点Oと点P(a)(←数直線上の点を座標のようにこう表します)の距離を実数aの絶対値といい、記号 |a| で表します。
➀ |a| ≧0
② a≧0のとき |a| = a
a<0のとき |a| = -a
ざっくり説明すると
①は絶対値は必ず正(または0)という性質
②は絶対値記号の外し方
です。
中学校でも絶対値はやります。
そこで「絶対値は符号を外すのではなく原点との距離を表すんだよ」
と強調された記憶はありませんか?
それはこのように文字の絶対値の記号を外すとマイナスがつくときがあるからです。
でも、
実際「原点との距離」として絶対値を使うことはあまりありません。
「原点との距離」である、という意味は必ず覚えてほしいのですが、
絶対値は符号をプラスにすると考えてください。
(※「マイナスをとる」と考えてはだめですよ)
ですから、a<0のとき、|a| は記号を外した時にプラスにならなきゃいけない。
そのため |a| = -a (負の数に-1をかける、簡単に言うとマイナスをつければ正の数になりますよね♪)となるんです。
この先「符号をプラスにする」目的で絶対値記号を使うことが多くなります。
本来の「原点との距離」
そして用途として多い「符号をプラスにする」
という2つの絶対値の側面を把握してください。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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因数分解(実践編~名城大~)【数Ⅰ】
(x+y)(y+z)(z+x)+xyzを因数分解
名城大の過去問です。
基礎を中心と言いましたがいきなり入試問題です。
なぜって大学入試の問題はいい問題が多いんですよ。
では解答です。
何が起こったか分かりますか?
これを見て一発で理解できたら
このブログははっきり言って不要、
自分ひとりの力で数Ⅲまでいけます。
でもこのブログを見てる方には最終的には
「解答を読んでひとりで理解する」
というのを目標にしてもらいたいな、と思います。
話は戻りまして、
これ見ただけだとすぐには分かりませんよね?
でも安心してください。
入試問題とはいえ、全然怖くないです。
ではコメント付きで実況中継していきましょう。
まずレシピ(因数分解(3)〜因数分解のレシピ〜【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎)のステップ1、共通因数は無さそうです。
ステップ2、この状態で使えそうな公式は…なさそうですね。
ステップ3、置き換え。うーん…これも厳しそう。
ステップ4、1つの文字に着目して降べきの順に整理。これは出来そうですね。というか文字が3種類もあるのでした方が良さそう。
今回はxに着目しますね。
xに着目するということは
x²やxなどがすべて出てきてからじゃないと
降べきの順に整理も何もあったもんじゃないです。
そこでまずx²やxが出てきそうな項をすべて展開します。
1行目はその準備です。
(※(y+z)はxを持ってないんだから逆立ちしたってxやx²は出てきません。なので後から展開するんです。そのため1行目は仲間はずれにしてます。)
2行目、{}を展開してxに着目する準備は完了です。
3行目、残りを展開・降べきの順に整理します。これでパッと見もxに着目してる感がハンパないですね。
4行目、たすき掛けで因数分解します。
画像下部の※参照。因数分解(2)~たすき掛け~【数Ⅰ】 - 宇宙を歩く高校数学 基礎 で紹介したやり方です。
そして{}内を整理して完成です。
どうですか?
xに着目する、と決めて
1・2行目の発想が出てくるかが勝負ではないでしょうか。
これから先様々な場面で共通するのですが、数学では
xに着目すると決めたら無理矢理でもxを作り出すんです。
そして整理していけば、必ず解きやすい形になります。
その多少強引な発想を是非大事にして欲しいと思います。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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実数【数Ⅰ】
実数の分類
僕らが知っている数は下の図のように分類されます。
用語をひとつひとつ見ていきましょう。
自然数:物の数を数えるときに使う数です。
整数:自然数に0と-1, -2, -3,-4,.....を合わせたもの。
有限小数:小数で表すと有限(桁がどこかで止まる)な数。
循環小数:1.23123123123123....のように同じ並びの繰り返しになる小数。
有理数:上の4つをまとめて有理数といいます。有理数はで表される数です。
無理数:簡単に言うと有理数以外です。つまりで表せない数です。図には「循環しない無限小数」と書きました。(→★additional)
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
★additional
因数分解(3)〜因数分解のレシピ〜【数Ⅰ】
因数分解の道具はすべて紹介しました。
ですが、これをどこでどう使えばいいかわからないから解けないんですよね。
なので絶対的な指標ではありせんが、
いうならば「因数分解のレシピ」のようなものをご紹介します。
因数分解のレシピ
1.共通因数でくくる。
全ての項に共通する因数をくくり出します。何より先にこれをやります。
2.公式の適用
この状態で公式が適用できないかを探ります。
3.置き換えで見やすく
複2次式 ax⁴+bx²+c では x²=A 、3(x-5)²+6(x-5)+9のように式の中に同じ形が現れた場合は x-5=A という具合で置き換えて見やすくすると因数分解しやすいです。
4. 1つの文字に着目して降べきの順に整理
2つ以上の文字がある時、最高次数の低い文字に着目して降べきの順に整理します。
5.定数項因数分解
定数項が因数分解できる時があるのでその時は定数項を因数分解します。
これで完成しない場合はまた1に戻ります。
最後に因数分解し忘れがないか確認します。
僕は元々数学は大の苦手で、
高校入りたての時にまずここの因数分解で躓きました。
その時の数学の先生は僕の人生を大きく変えてくれたと言っても過言ではない先生だったのですが、昼休みにここの単元の質問に行ったらこの「レシピ」を丁寧に解説してくれました。
はい。つまりこれは受け売りですね。
ですが、これでまず間違いなく因数分解できるので是非ご活用を。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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因数分解(2)~たすき掛け~【数Ⅰ】
たすき掛け
acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)
と言われたって数字が大きくなったら困りません?
12x2-16x-3とか。ぱっと思いつきませんよね?
そんな時に「たすき掛け」という方法があります。
手順
①x²の係数を〇×△という積の形にして図のように縦に書きます。(とりあえずこの時点で〇と△の組合せはどんな組合せでもOKです)
②定数項を同じように□×☆のような積の形にして縦に書きます。
③図のようにななめに掛けたものを足した結果がxの係数になるよう〇△□☆の数字を変えてみます。
④ななめに掛けたものがxの係数になったら完成です。あとはたすき掛けの図の左上のブロックを横に見ていきます。
これ、文字が絡んでくるとものすごい強さを発揮します。
ここまでが一般的な参考書などに載っているやり方です。
でも文字がたくさん入ってくると
たすき掛けが混乱する方いませんか?
よくある誤答として
こんなのがあります。
「係数を取り出してたすき掛け」
というあまり良くない考え方が出来上がっちゃっているのでこういうミスが生まれます。
ここで「係数を取り出す」
と言った時の「係数」はxおよびその累乗の係数なんだから、
当然yも「係数」として取り出さなきゃダメなんですよ。
でね、
別に係数だけ取り出してたすき掛けする必要なんてないんです。
たしかに係数だけ取り出した方が見やすくはなりますよ。
でもしょうもないミスをするくらいだったら
こうやったって良くないですか?
何が言いたいかというと、
たすき掛けする時は、数字だろうと文字だろうと、それが着目した文字であっても全部書き出してたすき掛けするんです。
一般化してみると
こういうことです。
これだって答えはちゃんと導けるので、
このブログを見てくれた方は
是非こっちでたすき掛けして
ミスを減らしましょう!
いいですか。
「文字も全部書き出してたすき掛け」ですよ。
たすき掛けは問題をこなすことでできるようになります。
ぜひたくさん問題を解いてください。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
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